認知症の人の心を感じで

2010年11月2日 13時17分 | カテゴリー: 活動報告

認知症模擬演技者(SPSD)による認知症ケア講座に参加して

柿の木のある家はありませんか?
柿の木のある家はありませんか?
 NPO法人アビリティクラブたすけあい(ACT)は認知症を理解しサポートの仕方を学ぶための独自の体験型プログラムを作っています。

 その講座に参加しました。まずDVDの映像で認知症状に関する基礎知識を学びます。周りの人が見たら何かを探して徘徊しているように見える場面でも、認知症の人にとっては若い時の自分をイメージして、きちんと外出着を着て実家に出かけていくつもり。別の場面では、矢継ぎ早に話しかけてきた相手の顔が歪んで怖い顔に見えているなど。認知症の人からはこんな風に世界が見えています。という映像を見て理解できるようにDVDは構成されています。

 そのあと、認知症の演技をする模擬演技者(PTSD)と参加者でロールプレイをします。今回はロールプレイに参加しました。外出したけれど自分の家がわからなくなり、家を探している女性Aさんと公園で出会うという設定です。

 私…公園のベンチに座っている。
 女性…「この近くに柿の木のある家はありませんか?」
 私…「柿の木のある家なら○○さん、○○さん、○○さんと3軒ありますよ、そのお家ではありませんか?」
 女性…「違います。カキの木のある家なんです。どこにありますか?」
 私…「ずっと歩いていてのどか乾きませんか?あそこの水道でお水を飲んだらどうでしょう。」

その後しばらく柿問答が続き、
 私…「じゃあ一緒に探しに行きましょう。」
     
 2分程度で会話が続かなくなりギブアップしてしまいました。そのあとAさんがどういう気持ちだったか、私がどういう行動を取ったら良かったかという参加者の意見感想を取り上げながら講義があります。

このロールプレイ、見ているのと実際にやるのとは大違いで、相手の模擬演技者が本物の認知症の方でないとわかっていながら、現実の場面のように困惑してしまうから不思議なのです。

こちらの考えや疑問を一方的に押し付ける会話でなく、相手の言うことを受け止めて気持を合わせていくことが大切と教えてもらいました。「柿の木のあるうちを探しているんですね。それは困りましたねえ。」という具合に。

そこでハタと思いだしたことが…。これって子育てに関する勉強会『親業講座』を企画した時に教えてもらったことと同じだった。認知症であろうとなかろうと人間同志のコミュニケ—ションの望ましいあり方は変わらないということですね。

 ロールプレイはもう一つあり、これは別の方が参加しましたが、財布がない、あなたが取ったでしょう、と義理のお母さんに、責められるお嫁さんという設定でした。これは見る側に回りましたが、お嫁さん役の方の対応を見ていて、自分のことのように胸が痛みました。

 ACTが様々な方のケアをした経験から生み出したこのプログラム、実際に家族の面倒を見ている方には生々しかった、という感想もありますが、家族がそうなったら、もしそんな人に出会ったら、と考えさせられたとてもいい機会になりました。