まちだ市民クラブ会派視察報告③

2017年6月5日 13時46分 | カテゴリー: 活動報告

視察その5 あめにわ憩いセンター (各銅(かくどう)さん宅

各銅さんは九州初の女性一級建築士、 樋井川5丁目在住

樋井(ひい)川という響きに懐かしさを感じたのは、母の実家がある島根県の出雲市も(ひいがわ)斐伊川が流れているからだ。

ヤマタのおろち伝説があるが、出雲地方だけでないことを初めて知った。ここにもヤマタのおろち伝説があり、櫛灘姫にちなんだ櫛田神社があるとは。

地区50年の家でも雨水貯留ができる

貯を試みるプロジェクトで各銅さんが80才になったのを機にベランダや庭を工事。敷地は 250m2。

種を保管する甕を農家から貰い受けて雨どいの水をためる。また、雨水管に流していた雨どいを切って、ベランダの下にホームセンターで売っている収納ボックス0,15tを12個つなげた貯留槽に誘導し全体で41トンの流出抑制しようとしている。家に降り注いだ雨全体の?80%を貯留できる。

費用は雨水社会研究会の研究費で、高齢者の憩いの場所も多世代交流型の助成金を活用して作った。福岡大学も工事費を負担している。

一人が年間に使う水は220m3×5人・・家庭で使う分の量の雨が降っている

一般のグラウンドの雨水浸透力は7mm/h 森は20mm/h  浸透する

最後に座学

各銅さん宅の多世代交流スペースで、改修工事の様子をパワーポイントを見ながら、説明を受けた。子どもも参加して、貯留槽を持つ庭造りをしていた。

島谷先生は杉並区の 善福寺川の活動にも関わっており、その様子も知ることが出来た。

2016年 オーバーフローした水は土にしみる、それをどう貯水するかがポイント

九州大助手 田浦さん(女性)によれば、各銅さんが50年の生活の間に桜の木などの落ち葉を土に戻してきたということで、土がフカフカで保水性の良い状態になっていることもわかった。

雨水管に流れていた雨どいは、まだすべて切ったわけではない。コストは170万円 1トン当たり4,1万円。地下に貯留するより半額でできる。昭和35年に福岡大洪水が起こり各銅さん宅までは浸水しなかったが、川に近い住宅は被害を受けたという。浸水していなかった尾根道沿いにある、各銅さんの家が雨水をためる事は大きな意義があると思えた。

樋井川を見に行く

各銅さん宅から道を下り樋井川を見に行った。徒歩で1分。12kmの樋井川を住民で一斉に掃除する運動について話し合い中とのことであった。

最後に島谷先生に川の多自然型 工事に関する 住民参加事例について他の地域の例はと聞くと 横浜市の和泉川が先駆的との事であった。上西郷川のワークショップ、島谷先生の仕切り直し提案から50回以上開催され、今も続いている。年3回でも7~8年以上続けたらそれくらいの回数になると涼しい顔で島谷先生はおっしゃる。現在は維持管理の仕方についてもワークショップする。近くの保育園の先生、小学校の先生も来る。お年寄が多く来るが、それでも世代交代する。若い人に一度始めたプロジェクトは死ぬまでやらなければと言っている。との事。

視察を終えて

町田市で市民参加の事例で一番顕著なのは私が知る限りでは、ごみゼロ市民会議あとは公園づくりなどにおいても結論ありきの回数も少なく1年で終わるワークショップや検討の場になりがちである。専門性を持った人材の研究費も活用した息の長いプロジェクトが町田で実現できればと思うが、夢物語だろうか。

福岡から戻った後、和泉川を見に行った。相鉄線の三ツ境駅からバスで15分ほど、畑や緑地の中を小川が流れ、私の小さいころは当たり前の風景だったはずなのに、市民参加で作り上げた成果でこの風景が再現されていることに複雑な気持ちがした。オタマジャクシが泳いでいた。川の水は上西郷川ほど透明でなく、ヘドロ状の藻も多く見受けられたのは残念だった。

 

 

各自が取り組む雨水貯留について

雨水タンクという一か所の雨どいから、ため込むものは広く売られている。今回は西田スポーツグラウンドに東京都が調整池をつくり、その工事に10年を要するという喫緊の課題がある。計算上は調整池や川に一気に雨水を流入させないために、各家庭で貯めこむことを進めているあまみず社会研究会の取り組みを視察した。潮流層を設ける工事が一般化するためには、行政の補助金による後押しが不可欠であろう。一足飛びにはいかないが、都市型洪水を防ぐためにも都議会の課題として声を届けていきたいとと思う。川や雨水の魅力を存分に味わった視察でもあった。

いただいた資料

・あまみず生活(小冊子) 発行 あまみず社会研究会

・雨水活用実験住宅プロジェクト報告書  発行 社団法人 福岡県建築士会 福岡支部