カシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」の被害広がる

芹が谷公園冒険遊び場のナラの木

カシノナガキクイムシを捕獲するトラップ

和田先生達と観察

3月議会の一般質問で他の議員が質問したことで、町田市の被害の実態をある程度知ることができました。

ナラ枯れとは⇒薪や炭焼きのために人間が植林した二次林からなる里山が、燃料がガスや電気に代わったために切られることなく、大木になった幹にこの甲虫が入りこんでナラ菌を媒介し、樹木の通水機能が衰えて枯れる状態を言います。

『まちだ○ごと大作戦』の活動のひとつで、芹ケ谷公園や忠生公園で、カシノナガキクイムシのトラップを仕掛ける取り組みが行われています。

七国・相原特別緑地保全地区で、チョウを中心に定点観察をされている北里大学の和田浩則先生は、雑木林の環境が変わっていくことを心配されています。一緒に現地に行き、お話を聞きました。

和田先生がこのエリアのナラ枯れに気がついたのは、2020年8月だそうです。冬でもないのに木の葉が茶色く変色し、木の幹には穴が空いて木くずがこぼれているので、それとわかります。和田先生によれば、全国で同様に起こっていることで、クヌギには被害がないそうです。伐採するのが一番良い方法ですが、それには手間とお金がかかります。

相原中央公園の指定管理者の方にもお話をうかがいました。その方は、かつては山で薪を採り、炭焼きし、落ち葉で堆肥を作り、縄をない、アケビのツルなど縛るヒモも現地で調達し、全てが土に還っていた時代を過ごしたそうです。お話によると、全ての被害木を伐るお金も無く、今のところはせめて人が通る場所は危険のないように刈り払い、雑木林の奥深くは立ち入り禁止区域を作って倒れるままに任せておくしかありません、とのことでした。

都内50ヵ所の公園を管理する東京都公園協会では、一昨年から予算を確保してナラ枯れの対応をしているそうです。

町田市の担当者に問い合わせてみたところ、指定管理者が入っている公園は管理者に任せ、直営の公園は通常の管理費で粛々と対応するしかないとの説明でした。町田市は基本計画『まちづくりビジョン2040』の中で、里山環境の活用と保全・生物多様性の保全をうたっています。ナラの大木が失われた里山(肥料や燃料など暮らしに使われなくなった雑木林は、もはや里山とは言えないのかもしれませんが)を未来に向けてどのように作っていくのか、町田市のビジョンが問われます。

伊勢神宮の御神木や屋久島の縄文杉などは、大木であるほど圧倒的な存在感がありますが、大木化したコナラやクヌギは、虫たちが好む樹液も減るそうです。大木のまま放置してはダメよ、という警告なのかもしれません。私達は新型コロナウイルスだけでなく、カシノナガキクイムシにも試されているのですね。